拡張現実(Augmented Reality:AR)
ナビゲーションシステムを
用いたAR顕微鏡脊椎手術、
ロボット支援脊椎手術を開始しました。

AR顕微鏡脊椎手術
ロボット支援脊椎手術

WHAT IS

AR顕微鏡脊椎手術とは?

情報伝達技術(ICT)の進歩に伴い、拡張現実(Augmented Reality:AR)技術や仮想現実(Virtual Reality:VR)技術などの最先端技術が医療分野においても応用され始めています。AR技術は、「デジタルイメージを現実空間に重ね合わせて投影する技術」で、携帯アプリやゲームなどでも我々の日常に馴染みのある技術です。
BrainLab CurveナビゲーションシステムとZeiss KINEVO®︎ 900顕微鏡をリンクさせ、術前に撮影した画像(CT、MRI)から作成したデジタルイメージを、顕微鏡術野に投影することができます。より術中の解剖学的位置関係が理解しやすくなるため、脊髄腫瘍などの難しい症例を安全に手術することができます。

導入の背景と
ARナビゲーション
システムのメリット

我々はこれまでにも手術顕微鏡を用いて術野を拡大視することにより安全に手術を行ってきましたが、ARナビゲーションシステムを用いたAR顕微鏡脊椎手術の導入により、術前計画と実際の手術の間の僅かな差をこの最先端の技術により埋めることが可能となりました。
脊髄や血管構造との位置関係を把握することで、術中の重篤な合併症を防ぐことができることや、最小限の骨切除により低侵襲な手術が行えるようになることが期待されます。

AR顕微鏡脊椎手術により
治療できる疾患について

脊髄腫瘍(硬膜内腫瘍、砂時計腫瘍、髄内腫瘍)に対する腫瘍切除術において本技術を使用しています。また脊椎変性疾患(頸椎症や腰部脊柱管狭窄症など)にも利用可能ですが、特に解剖学的ランドマークの少ない再手術症例においては有用と考えています。

WHAT IS

ロボット支援脊椎手術とは?

BraniLab Cirqのロボットアームを用いることにより、変形性疾患の手術や脊柱変形の矯正手術において、より安全で確実なインプラント(椎弓根スクリュー)の挿入が可能となります。

術中CT(O-arm)ナビゲーション

ロボット支援脊椎手術(動画)

導入の背景と
ロボット支援脊椎手術の
メリット

椎弓根スクリュー挿入の正確性は、二次元のX線透視画像では84%、三次元のO-armナビゲーションでは95%と海外の論文で報告されています。ロボット支援脊椎手術においては、この数字が98%とより正確な設置が可能と言われています。当院は元々O-armナビゲーション(術中CTナビゲーション)を導入しておりましたが、ロボットアームCirqと併用することで、さらに安全な手術が行えると考えます。

ロボット支援脊椎手術により
治療できる疾患について

腰椎すべり症や変性側弯症、椎体骨折後の腰曲がり(脊柱後弯症)、子供の側弯症などに対し、保存療法に抵抗性の場合の手術療法(固定術)として、本技術が有用と考えます。

未来に向けて

徳島大学整形外科では、国立大学として初めて
膝に人工関節を埋め込む手術の際に支援をするロボットCORIを導入し、
2020年1月から運用を開始しています。
徳島大学整形外科では設置精度が高く、患者さんの膝への負担をできるだけ少なくした手術の実現で、
術後のリハビリ期間の短縮や早期退院、早期社会復帰を目指してまいります。

お問い合わせ

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