デンマークのCORHへの留学
2019年10月から1年間、デンマークのCopenhagen University Hvidovre Hospital内にあるClinical Orthopaedic Research Hvidovre (CORH)に留学させて頂きました。CORHはデンマークにおいて最年少で整形外科教授となったProf. Anders Troelsenが立ち上げた整形外科疾患を対象とする研究を専門的に行う研究機関です。Prof. Troelsenは人工関節を専門とする整形外科医であり、膝関節の靱帯を温存する人工膝関節手術に力を入れています。私もこれまでの臨床経験や大学院生時代の基礎研究で人工膝関節に特に興味を持っており、一昨年日本での学会に講師として招かれていたProf. Troelsenにコンタクトをとり留学したい旨を伝え、今回の留学が実現しました。
CORHは2人の整形外科医師とリサーチマネージャーが2人、研究技術者が6人と大学院生が5人で構成されています。研究技術者の中には理学療法師や臨床検査技師、放射線技師に加えて統計を専門に行うデータマネージャーも在籍しており、大学院生は国内外から広く所属しています。デンマークでは国が医療や社会福祉を提供していて患者データがレジストリで管理されていることもあり、レジストリデータを活用した大規模な研究が数多く行われています。膝関節では人工関節の術前理学療法の介入が術後成績や患者満足度に与える影響の研究、股関節では挿入された人工関節の継時的な変化を解析するRSA (radiostereometric analysis)を用いた研究が行われており、私の留学中には足関節や外傷の分野についても大規模な研究が計画されていました。
CORHは2人の整形外科医師とリサーチマネージャーが2人、研究技術者が6人と大学院生が5人で構成されています。研究技術者の中には理学療法師や臨床検査技師、放射線技師に加えて統計を専門に行うデータマネージャーも在籍しており、大学院生は国内外から広く所属しています。デンマークでは国が医療や社会福祉を提供していて患者データがレジストリで管理されていることもあり、レジストリデータを活用した大規模な研究が数多く行われています。膝関節では人工関節の術前理学療法の介入が術後成績や患者満足度に与える影響の研究、股関節では挿入された人工関節の継時的な変化を解析するRSA (radiostereometric analysis)を用いた研究が行われており、私の留学中には足関節や外傷の分野についても大規模な研究が計画されていました。
デンマーク留学での生活・考え方。
デンマークでは月曜日と水曜日は第一助手として手術、火曜日には外来陪席、木曜日と金曜日に研究というサイクルで1週間を過ごしました。人工膝関節置換術後の動体解析を留学中の主な研究テーマとして、充実した日々を過ごすことができました。デンマークでは超過勤務が厳しく制限されており、15時半になると教授以下すべてのスタッフが研究室から帰ります。いつも最後まで残っている私はいつも「You should go home! And do something different!」と声をかけられていました。デンマークに暮らす人々は16時からの時間をHYGEE(ヒュッゲ:ホッとくつろげる心地良い時間やそれを作り出すことによる幸福感や充実感を楽しむ姿勢)で過ごしており、何もない平日でも街中の公園で家族や友人とともに楽しく過ごしている姿が多く見られました。CORHでは短い勤務時間で最大限の成果を上げられるよう的確な役割分担がなされており、働き方改革が叫ばれている日本でも取り入れられそうな考え方を学ぶことができました。
「日本の外から日本を見る」ということ
デンマークへの留学は充実した研究を進めるということ以上に「日本の外から日本を見る」という機会も与えてくれたと思います。世界との違いを知ることによって日本を知ることができる。今回の留学で得られたこの大切な気持ちを胸にさらに成長できるよう、努力を惜しまずに毎日を過ごしていきたいと思います。最後になりましたが、今回の留学に際しては西良教授をはじめ医局員、同門の先生方に大変なご尽力を賜りました。この場をお借りして深く感謝を申し上げたいと思います。誠にありがとうございました。
海外留学 /和田佳三(順天堂大学出身)
世界との違いを知ることによって
日本を知ることができる